事例名
ファジィ自動絞り機能付き8mmビデオカメラ
企業・団体名
三洋電機
出展
日刊工業新聞 1989年
内容
三洋電機(社長井植敏氏)はAV機器で初めてファジィ理論を応用したカメラ一体型8ミリVTR「VEM-S2(愛称ビーカムS2)」を21日発売する。これまで産業用を中心に普及が進んできたファジィ理論だが、ここにきて三菱重工業が同理論を使ったエアコンを米企業と共同開発するなど、今後は家電への実用化・普及が進むことになりそうだ。新製品の8ミリVTRはファジィ理論をアイリス(絞り)調整に採用した。従来、順光や逆光などに対し、デジタル計算方式には多くの計算式が必要。これに対し、ファジィ理論を用いると一つの計算式で連続的な値が得られ、より人間の目に近づいたキメ細かい調整が可能。マイコンは従来と同じ8ビットを使い、画面を6分割し各分割画面ごとに測定された明るさを数値化する。これをファジィ理論を使って隣接する画面の明るさの違いなどを計算、1,000分の16秒以下という高速で被写体に対して適正なアイリス調整をする。このほか、6倍電動ズーム機能付きで、外形寸法が幅103×高さ157×奥行き255ミリ、重量0.9キロの小型軽量化を図っている。価格は17万5,000円。当初月産3,000台を計画。