ご挨拶

日本知能情報ファジィ学会 
会長 高木 友博 

 本知能情報ファジィ学会は、「あいまいさを含む全方位から知能の解明、実現、応用に対して科学的に挑戦する学会」です。また、自然科学・技術にとどまらず、人文・社会科学の分野も包含する領域横断的な学会です。様々なバックグラウンドを持つ研究者、技術者などの多様な人々によって、広い学際的領域を持った学会です。

 本学会の沿革は、1972年のあいまいシステム研究会の発足を皮切りに、その後の1980年のあいまい科学研究会の発足、そして1989年の「日本ファジィ学会」の設立を経まして、2003年1月より現在の名称である「日本知能情報ファジィ学会」に改称されました。この間、Zadeh教授のメンバーシップ関数に特徴づけられるファジィ概念のスーパーセットとして、より広義の「あいまいさ」にかかわる問題を積極的に捉えていくべく、ファジィの理論と応用面でのすそ野を積極的に広げて参りました。また、応用人工知能としてのエキスパートシステムや、GA、ニューロ、カオスといった20世紀末になって日の目をみた数々の知能化技術を取り込み補完しながら、「ソフトコンピューティング」として、あいまいさや柔らかさを総合的に扱う新たな学問分野を切り開いて参りました。
このように、日本知能情報ファジィ学会が発足時から取り扱ってきた学術的課題は、あいまい性を主体としたものでした。これは科学技術で排除されがちであった、人間の主観や不確かさの様相を広くあいまいさに関する概念として積極的に取り扱おうという意思の表れでした。現在、人間や主観をモデル化する学術テーマが大きく拡大・変化し、複雑に絡む様々な分野に対して明示的に対応しなければいけなくなってきました。例えば、マクロレベルでの知能のモデル化に限らず、脳の動作解明や人の振る舞いなどの観測技術の発達により、新たな観点からのモデル化が必要となってきています。一方、情報化社会の進展により知識や知能の存在場所、顕在化の地点、利用や獲得の方法までが大きく変わってきています。

21世紀に入り、情報通信の技術革新が益々進んでいく中にあって、我々人類が直面しているのは、人と機械、人と人、技術やサービスの提供者と享受者の間の境界に対し、物理的・電子的な繋がりを越えた、心や感性の通い合う自然な橋渡しをどのように実現していけばよいかのテーゼです。
そこで現在では、ソフトコンピューティング、人間共生システム、ウェブインテリジェンス、認知科学、意思決定の5分野を当面のコアとして、詳細な技術としては、制御、ロボット、医療・福祉、金融、建築・土木、教育、安全・安心、プラント、人工生命、社会・経済システム、自然システム等を対象とした診断、パターン認識、モデリング、ヒューマン・インターフェース、マルチメディア、意思決定システム理論、組織論、数理計画、評価、経営管理、統計、データ解析などの方法論から、心理、自然言語、論理、数学、哲学に至るまで、まさに学際的な多岐にわたる問題領域をカバーすると共に、更に将来的に期待される分野を視野に入れております。本学会では、このように知能に関わる様々な研究・技術・環境の変化を先取りし、指針を模索し続けていきます。

日本知能情報ファジィ学会は学際的な開かれた学術組織として、インターネット技術を駆使した情報提供・議論の場を保有し、シンポジウム、研究会、国際会議等を開催し、学会誌、論文誌の編集発行や出版事業を通じて、日本発の世界への情報発信を行なっております。幅広い方々の積極的なご支援をお願いする次第です。

主な事業

  1. イベントの主催
    • ファジィ・システム・シンポジウム
    • インテリジェント・システム・シンポジウム
    • SCIS & ISIS など
  2. 学会誌発刊
    • 「知能と情報」(日本知能情報ファジィ学会誌)
  3. 出版事業
    • 講座「ファジィ」[日刊工業新聞社](全巻既刊)
    • ソフトコンピューティングシリーズ[朝倉書店]
    • ファジィとソフトコンピューティングハンドブック[共立出版]

会員状況(2012年2月末現在)

個人会員 1,015名
(正会員764名/名誉会員8名/特別会員14名/学生会員45名/
準会員153名/サイト会員31名)
購読会員 23名
法人会員 8社
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